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【05月21日 KOREA WAVE】韓国焼酎の新製品「チョウムチョロムセロ」が発売20カ月で意外にもつまずきをみせた。準政府機関である韓国消費者院がセロを含む「ゼロシュガー焼酎」が一般焼酎とあまり変わらないと判断したためだ。消費者がこの発表をどう受け止めるかによって、成長路線にも影響を及ぼすと見られる。

金融監督院によると、ロッテ七星(チルソン)飲料の焼酎部門の売り上げは昨年、4042億ウォン(1ウォン=約0.11円)だった。2022年の3410億ウォンから18.5%増加した結果だ。2021年には2841億ウォンだった。

セロが発売されたのは2022年9月。2022年からの焼酎売り上げ増はセロが主導したとされる。ビール部門の成長傾向が止まっているため新たなビールブランドの発売効果はまだ現れておらず、セロを除く従来の焼酎チョウムチョロも売り上げに大きく貢献していない。そのため、セロの人気が酒類全体の売り上げを引き上げたものと見られる。

ロッテ七星飲料の酒類部門の売り上げは2020~2021年に6000億ウォン台にとどまったが、昨年8000億ウォンを超えた。

今年もセロの人気は相変わらずだ。ロッテ七星飲料の酒類部門第1四半期の売り上げは前年比3.4%増加した2148億ウォンを記録。セロの売り上げは34.2%増加した377億ウォンを記録した。

ロッテ七星飲料は、大きく飲み物と酒類部門に分けられる。売り上げの割合は7対3程度だ。酒類品目の中で最も売り上げ割合が大きい製品群が焼酎だ。個別の品目別に見ても、焼酎の割合は日増しに高まっている。ロッテ七星飲料内で2021年12.1%だった焼酎の売り上げ割合は昨年14.7%に増えた。焼酎の品目は現在、七星サイダー、ペプシコーラなどの炭酸飲料に次いで2番目に高い割合を占めている。

ロッテ七星飲料は、セロの人気を維持する戦略として、先月、新製品「セロアプリコット」を発売した。発売後20カ月ぶりに出した初めてのセロブランドの果汁入り製品だ。従来はなかった「アプリコット」を活用して差別化を図ったのが特徴だ。

だが、消費者院が1日、「ゼロシュガー」焼酎に対して、一般の焼酎と糖類やカロリーで特別な差がないと発表し、「消費者欺瞞」だとの世論が起きている。消費者院はゼロシュガー焼酎で糖類は検出されなかったが、一般焼酎もやはり糖類が低く「ゼロシュガー」と表記できる水準だと明らかにした。

また、カロリーも一般焼酎より2~14%低いが、アルコール度数がさらに低いことを考慮すれば、事実上、差がないと見た。ほとんどの報道で「だまされた」「消費者欺瞞」「焼酎の裏切り」など、ネガティブに報じられた。

今後のポイントは「ゼロシュガーが体重調節に特には役立たない」という準政府機関の発表に消費者がどれほど反応するかだ。特に、ゼロシュガーブームの中心にあるセロが最も大きな影響を受けると見られる。

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